ソクチャン省3村、1合作社訪問報告集
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- ヴィンフック村(ヴィンチョウ県)
- 海老・塩合作社(ヴィンフック村海岸地帯)
- ヴィンチョウ村(ヴィンチョウ県)
- ホアツーI村(ミースエン県)
1.ヴィンフック村(ヴィンチョウ県)
井戸の管理を委託されている男性(クメール人)
に話を訊く。多くの家の壁はヤシの葉で作られている
- 行政 10部落
- 土地
- 自然面積 3,768ha
- 農業面積 2,591ha
- 米作 2,494ha
- 多産種 1,600ha
- 季節 894ha
- 人口
- 総数 19,442人 3,499戸
- クメール人 9,430人 (48.50%)
- 華人 6,780人 (34.08%)
- キン人 3,232人 (16.62%)
- 米生産実績(93)
- 生産性 3.100トン/ha
- 総量 7,731トン(実際)
- 計画では9,384トン
- 不作1,650トン
- その他の栽培(?)
- 畑もの 156ha
- 果樹など 3.58ha
- やし 9,484本
- (ただし分散している)
- 竜眼 5トン/ha
- 養殖
- 海老養殖面積 240ha
- 収穫高 48トン 病気にかかって不作
- 生産性 200kg/ha 1期作
- プランクトン 2890kg
- 塩生産 33,000トン 150ha ただし、安い
- 工業 6精米工場(小) 仕事の引き受け
- 農歴 11月から5月 直播き、天水による
- 食糧欠乏 3カ月 555戸(17.63%)
- 6カ月 794戸(25.22%)
- 1年間 548戸(17.40%)
- 計 1,897戸(54.22%)
- 充足 1,602戸(45.78%)
- 土地面積の不足している農家
- 658戸 (約2500Fから3000F)
- 土地を持たない家族 569戸 内農業以外で生活 160戸
- 農家 409戸 日雇い、出稼ぎのみ
- 土地所有最大農家 5ha
- 道路 県から村まで道路がある それ以外は予算の制約で作れない
- 一般の貯蓄による投資 まだおこなわれていない
- 教育 16の学校 内2校は農民の拠金
- 84クラス 74クラスは小学校 9クラスは中学校
- 46教室
32室が煉瓦など、3室が半分煉瓦など、11室が竹と葉
- 85教員 3,267生徒
- 机と椅子が不足してる
- 医療
1医師、1診療所、3診療室(おそらく点在)、9医療士、1高校生徒、
- 2看護士(婦)、C級の設備1
- 保健活動 10部落中7部落で組織活動
- マラリア予防(91−92)90%達成 612人
- 出産制限(家族計画化) 103%の計画達成(?)
- 人口増加率 2.1%
- 交通・水利
- 7用水路
計画では塩分を取り除くため6km(1200ha)浚渫
- 実際は36%のみ達成
- 4用水路 交通路として
- 用水総キロ数 2,500〜3,000m
- 資金融資
- 銀行による融資(93年)
- 総額 603百万ドン
- 長期 56百万ドン
- 水産物 360百万ドン
- 農業 187百万ドン
- 少数民族優待利子 2.9%
- 米4カ月、水産5カ月、長期13−14カ月(?)
- 機械設備
- 村に2台の大型耕運機(54cv) 他の村へも賃貸し
- 井戸(汲み上げ式)
- 総数 83本
(内15本ユニセフ、17本EC、40本民間)(?)
- まだ、約3,000戸は飲み水が足りない
- 村同士で、土地関係をめぐって抗争
- 財政状態(92−93)
- 収入 203,303,500ドン
- 支出 203,303,500ドン (?)
- 堤防
- 7km、県が投資、ただし物資代だけで人件費はでていないらしい(?)
- 高潮予防の堤防がやっと完成
- まだ、塩分防止用の堤防はできていない
- 部落の組織
- 党組織はさほど強くなく、支部を部落単独では結成できず、2部落で支部
- 青年組織、婦人組織などもさほど強くなさそう
- 農産物の価格引き下げ圧力が商人からある
- 給与
- 党書記、主席 160,000ドン/月 (約1,600円)
-
2.海老・塩合作社(ヴィンフック村海岸地帯)
- 海老の養殖を初めて3年
- 人口
- 総社員数 340戸 1,892人 主労働力920人
- クメール人 236戸 1,381人
- 華人 68戸 341人
- キン人 34戸 170人
- 面積 自然 1,500ha
- 海老養殖 571ha
- 塩 291.5ha
- 米 0ha
- 生産時期毎に「請負」 合作社は税や手数料などを徴収
- 土地の種類
- 1)丘 10kg海老/ha
- 2)沼 20kg海老/ha
- 投資
- 銀行からの融資
- 92年 300百万ドン 4カ月 5.4%
- 93年 950百万ドン 4カ月 3.2%
- 社員が直接借りる 10〜15戸で1グループをつくって手続き
- 1ha当たり3百万ドン(銀行)
- 面積最大(請負により) 3ha(92年) 2ha(93年)
- 生産経過
- 92年 不作80% 海面が高くなったため
- 93年 海老40トン、200ha 順調、利益がかなり上がった
- クメール人は多い
- 塩生産 1戸当たり6〜7百万ドン
これに関しては合作社がすべて面倒を見る
- 困難
- 初期投資 約10百万ドン/各戸 銀行の融資は限界
- 合作社の財政状況:
- 総支出 160百万ドン
- 納税 50百万ドン
- 福利厚生 32百万ドン 『情義の家』建設、結婚式、援助
- 再投資 20百万ドン
- 給与 30百万ドン
- ボーナスなど 28百万ドン
- 財産 91年以前は巨大 92年以降債務の返済
- 社員の生活レベル
- 40% 生産用機械を所有
- 30% テレビを所有
- 90% ラジオカセット
3.ヴィンチョウ村(ヴィンチョウ県)
- 面積
- 自然 2,800ha
- 農業 2,386ha
- 畑 195ha (93−94は251ha)
- 米+畑もの 251ha (93−94は500ha)
- 水産 521ha
- 内海老のみ 130ha
- 米+海老 391ha
- 人口
- 総人口 2,858戸
- 土地貸与(担保) 200戸以上
- クメール人 60%
- 華人 25%
- キン人 15%
- 生活状態
- 裕福 25〜30%
- 食糧充足 40%
- 食糧欠乏 15%
- 井戸(汲み上げ式)
- 総数 600個
- 大衆 30個
- 銀行 450個
- EC、ユニセフ 120個
- 電気 6km ただし、人民委員会には電気は来ていない
- 道路 村を結ぶ道路 7km
- 水利 1用水路(村を結ぶ)、3用水路
- 生産性
- 米平均 2,8トン/ha
- 多産種米 3,2トン/ha
- 玉ねぎ 2,2トン/1000F/1期作当たり
- 銀行の融資
- 93−94年 総額 2,1十億ドン
- 米+畑 1,5十億ドン
- 海老 600百万ドン
- 約1,000戸が借りることができた 平均約2百万ドン/戸
- 98%完済
ただし、貧困者は担保がないため借りることができない
- 中期の融資 井戸の建設 1.5%(18カ月)
- 短期の融資 3.5%(4〜6カ月)
- 約20戸が商売を専門にしている 肥料販売などの代理はない
報告書からの補足
- 1)稲作
- 昨年の天災:日照り、塩害の拡大、稲の病害
- 米の生産総面積は1894.82ha、
- 多産種は958.50ha(92haの減)、
- 季節米は936.12ha(113haの減)
- 荒れ地化したり何も生産していない総面積303.21ha(93年40ha増)
- 籾収穫量 5,310.012トン
- 生産性 多産種 3トン/ha 季節米 2.6トン/ha
- 2)畑作
- 面積 195.89ha (30ha増、92年比)
- 主要に、種玉ねぎ、タピオカ、さつまいも、豆各種類、とうもろこし、
- さとうきび、?など
- 栽培面積 389.21ha
- 内玉ねぎ 246.13ha
- 大根 95ha
- 西瓜 20ha
- 一般的に不作 最も被害が大きかったのは、早生玉ねぎと大根
- 3)畜産
- 家畜総数 3,729頭 内水牛45頭、牛546頭、豚3138頭
- 家禽総数 9,277羽
内鶏7211羽、あひる529羽、その他1537羽
- 水産養殖 海老養殖107ha(総面積の5%) はじめたばかり
- 4)財政工作と農業税の徴収
- a)財政
- 総収入 54,397,440ドン(計画の85%のみ)
- 農業税 18,678,440ドン
- 工商業税 365,700ドン
- 殺生税(家畜) 1,557,000ドン
- 一時収入 31,368,900ドン
- 文化? 420,000ドン
- その他収入 1,560,000ドン
- 総支出 53,854,772ドン
- 事業行政費 19,642,062ドン
- 給与 6,722,000ドン
- 手当など 5,937,000ドン
- 部落への農業税分配(?) 4,482,810ドン
- 小物の購入、修理 894,000ドン
- その他支出 16,176,900ドン
- b)農業税の徴収活動(94年)
- 原則的には578,145トン
- 減免税による減317,412トン(約54.90%)
- 必要徴収分は260,733トン
- 実際: 79,444トン(計画の28.93%)
- 原因:農民の生活が困難であること
- 連続した不作で収穫後多くの農民の手元に何も残らないこと
- 徴収担当幹部が弱いこと
- 5)生産資金投資計画
- 県農村銀行の指標に基づき、中期の融資150個の井戸、
- 融資を受けるための団結組17の設立
- 海老養殖連結組が80haにたいして融資を受けた
- 6)土地抗争の解決状況
- 93年に22件の抗争(ほとんどは旧来からの存続)
- そのうちおさまったのは13件、残り9件
- 土地使用権利承認書の交付がはじまったがとても遅くまた部落でもまだ各戸の名簿、面積がまとめられていない
- 海岸辺の土地の請負、防御植林の展開 *数字が抜けている
- 文化・社会
- 1)教育
- 32教室、74教員
- 2)医療
- 667人の患者を診察、726回
- 主要に通常の病気、いちばん多いのはマラリア
- 予防注射活動
- 産児制限はあまり効果がない
- 3)政策家庭への援助
- 治安と国防
- 複雑な事件はなかった
- 徴兵業務は不十分だった
4.ホアツーI村(ミースエン県)
この村の特徴は、1954年以降の伝統的な旧解放区(南部蜂起の拠点の一つであった)であり、国道からは舟でかなり奥に入る必要がある。乾期であっても二輪車の通れる道は無い
ホアツーI村で舟の上から
- 面積
- 自然面積 3,055ha
- 農業生産面積 2,041ha
- 多産種 1,123ha
- 季節米 917ha
- 水産養殖 1,030ha
- (92年400ha)
- 人口
- 総人口 約8,000人
- (農業) 1,402戸
- (その他)
37戸 ホアツー村唯一の交通手段は舟だ
- 道路 まだ無い
- 生産性
- 米
- 多産種(南4部落)4トン/ha 季節米(北4部落)
2.5トン/ha
- 多産種 5月から11月(陰暦) 雨期のみ
- 養殖海老
- 180−220kg/ha 総収穫量 約206トン
- 価格(94年) 15−20匹/1kgで、12,000ドン
- 40匹/1kgで、 80,000ドン
- 乾期は海老養殖 2期作
- 海老養殖は急速に増大 昨年1,000匹、今年10,000匹
- 土地は塩分を多くふくむ
- 全部で8部落
- 歴史:
- 40年まで、タィンチ県に所属
- 40年に3村に分割 (83年に2村に分割 ホアツー氓ニ)
- フランスの支配期まで、2〜3の大地主の存在(有名らしい)
- 2,000ha以上の土地の所有
- 54年に蜂起 農民に大土地所有者の土地を分割
- *補足:土地改革は48/49年、52/53年にあったらしい
- 旧サイゴン政権支配下、米軍がザックゴに拠点を構える(カントー省)
- ただし、土地改革の成果は維持
- 解放区として何度か米軍の攻撃を受ける
- 79年、土地の分与がはじまる 富農(中農)が貧農に
- 85年、完全に集団化(〜90)
- 91年、「請負」開始 旧来の所有関係に基づき、請負させる
- すなわち、旧土地所有者に返却する過程(79年以前に戻す)
- 一応、農民の手元に2000〜3000Fの土地を残すよう調整
- 94年、おおむね安定90%
- 生活水準(農民のみ)
- 1人350kg籾/年を境界として
- 充足・裕福 537戸 (43.8%)
- 食糧欠乏 735戸 (56.2%)
- 家
- 強固+半強固 418戸 (32%)
- 竹と葉 890戸 (68%)
- 資金融資
- 県農業銀行が融資
- 93年から 米作にたいして 500百万ドン 3.5%
- 1戸当たり1百万ドンが最高
- 94年 海老養殖にたいして 1,500百万ドン 3.0%
- 1ha当たり、1.2百万ドン
- 水産物は4.5カ月、米は5カ月
- 農民間の貸付
- 最も低いケース 1月12% 高いケース 1月30%
- 通常カネで貸す
- 銀行が貸すようになって少し減った 以前の方が広範
- 婦人会の助け合い運動
- 1月5% 8グループ存在
- 農民会は活動していない
- 「飢えを無くし、貧困を減らす」基金
- 94年から開始 1月0.6% 120百万ドン 政権のルートで
- 購入・販売
- 物資の購入 ニュウザ市場へ 8km
- 販売 ソクチャンへ
- 5つの精米施設
- 養豚は赤字であまり活発でない
- 教育
- 8校 26教室 強固・半強固15室、竹と葉11室
- 3交代制
- 生徒 1,215人 小学校1,015人 中学200人
- 保育所はない
- 教員 44人 小学校 34人 中学 10人
- 文盲率 調査していない
- 以前文盲一掃運動があり、無くなったことになっている
- 医療
- 1診療所、4診療士、2看護士(婦)
- マラリアはかなり流行している
- 井戸
- 113本以上 90〜100m掘削
- 国家投資 47本
- 一般 66本
- 人口増加率 3.6%(93年)
- 政策家庭
- 253家族が戦争犠牲者(烈士)の家族 解放区のため多い
- 傷兵 64人
- 村の財政
- 収入 60百万ドン
- 支出 120百万ドン
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