「ベトナムの社会・経済開発」 1998年3月 13号

 米作地帯における持続的な多様化 (抜粋)

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VO TONG XUAN
農学博士、農業経済学教授
メコンデルタ農業システム研究開発研究所理事
カントー大学副学長


 1. 序

 1989年以降、ベトナムは飢餓的国家から脱し、米の輸出で世界4大国の1つになった。いろいろな要素(技術の改良、潅漑システムの増加、そして投入(肥料や原材料など)の効果)がベトナムの米輸出の急成長に貢献したが、なかでも根本的要因は、しばしば「ドイモイ」、刷新として知られる政府の急速な政策転換にあった。この変化は農業の「民間化」、外国貿易の拡大、ベトナム通貨に対する市場に連動した為替レートの適用などを含んでいた。世界市場に投入された余剰米は主にメコンデルタ−「ベトナム農業の揺りかご」からもたらされた。過去5年間のベトナムの年間成長率は平均8〜9%であるが、農業のGDP成長率は約4%で、GDP全体への貢献は約34〜39%である。1995年には、ベトナム経済は9.5%成長した。その結果、1995年のGDP(1989年相対価格)は43兆8000億ドンで、1991年の31兆2860億ドンより47%上回った(表1)。
  表1:1991〜95年のベトナムのGDP、農業GDP(1989年相対価格)

GDP

農業GDP

十億ドン

年変化率

十億ドン

年変化率

対GDP比

1991
1992
1993
1994
1995

31286
33991
36735
39982
43800

4.30
8.60
8.0
8.80
9.55

12264
13132
13634
14169
14820

2.2
7.1
3.8
3.9
4.1

39.2
38.6
37.1
35.4
33.6
 出所:統計総局「Statistical Year Book 1995」

 ベトナム経済の再構築が効果を現すにつれ、農業部門は雇用、所得、国内貯蓄、外国為替、そして全国の食糧安全保障の創出に決定的な役割を果たすことになろう。今日、ベトナム民族全体は、1995年に参加したアセアンの他の国と同様に自由でダイナミックな経済を誇っている。(ベトナムの場合)農業はより大きな役割を演じるであろう。反面で、自由市場メカニズムの中で、ベトナム米作農民は収入の停滞、時には減少にさえ直面してきた。ベトナムにおける米作農民の低所得は米作部門に対する政府の政策の不適切さ − 低い農産物価格、投入(原材料物資)の高価格、高い税率、非効率な市場システム、そして乏しい市場情報 − の結果である。こうした中でも、様々な農業経済地域において、米のモノカルチャーから多様化へと適切な農業システムを適合させて困難な状況から脱することができた機敏な農家が存在する。(Nguyen と Vo-Tong, 1990)
 残念ながらそれらの新しい機会はいまだに地域的なものに留まり、もしマクロ規模での開発政策が実施されなければ広範囲には波及しないであろう。政府は、経済の構造的変化が生じていることに気が付き、農業と農村部門の長期の持続的成長と開発を促す緊急の試練に直面し、方向を探し求めている。農業の潜在力の発現へのその試練においても同様である。
 この論文において、私はベトナムの農業生産の概括的状況を、特に米作に注意を払いながら述べてみたい。ベトナムの様々な農業経済地帯における農業潜在力の持続可能な開発の方向性は、次の10年間とそれ以降に、科学、技術そして社会学的進歩の観点から、ベトナムが米作経営というモノカルチャーによる低所得を緩和するのに役立つために検討されるべきであろう。

 2. 米作シンドローム

 他のアジア諸国のように、ベトナムは米を常食とし、伝統的職業として米を育てている。上は政策立案者から下は僻地の小農民に至るまで米を育てることは第一番目のことである。市場経済が広く実施されている時でさえ、米の生産は全ての計画において優先的であり、他のチャンスを犠牲にしても優先されさえする。例えば、ミ・スエン(My Xuyen)県の塩分を多く含んだ地区においては、乾季には塩分を含んだ水でエビを育てながらも、モンスーンの季節になって雨が塩分を洗い流すと米を育ててきた。彼らは通常1ヘクタールあたり4トンの米による600万ドンと1ヘクタールあたり200kgのエビによる1400万ドンの収入を得ている。政府が乾季の米作用に投資した新しい潅漑システムが導入された結果、エビ(タイガー種)は淡水の中でもはや生存することはできない。そして、農民は新しい米からの600万ドンを引き替えにエビからの1400万ドンを忘れなければならないのである。なるほど食糧安全保障のためにも、政治的立場の安全をはかり、(ベトナム)政府の(国際的な)地位をより高く押し上げるためにももっともっと多くの米が必要でかもしれない。しかし、メコンデルタのような米の余剰地域においては、米作農家は多すぎる米と安すぎる価格に呻吟しているのである。彼らはいつまで持ちこたえられるだろうか。米作システムの持続可能性は危うい。一方わが農民たちは、農業の多様化を実現しなければならず、市場の競争という他の試練にも直面しているのである。

 3. 農業システムの持続可能性(sustainability)

 「持続可能性」という概念が80年代初頭に提唱されてから、農業経済システムの様相が理解されるにいたって、その言葉の定義が鮮明になってきた。アジア開発銀行は全ての農業プロジェクトに対し持続可能な経営の要素を計算に入れるように、計画者と同銀行のスタッフのための政策手引書を出版した。食糧・農業機構(FAO)のテクニカル・アドバイザリーグループ(TAC, 1988)は、持続可能性の評価についての一連の基準を1988年に公式化し、1990年の世界食糧デーの実施に当たってFAO(1989)自身がその持続可能性の定義を提示した。Francis et al(1990)は温帯の持続可能な農業についての概念の世界的観点を打ち出した。熱帯、特に米作の普及しているこの地域では、持続可能性の主要な要素としては以下のことが考えられる。

 a. 土地、水、そして植物と動物の種の保存
 受け入れることのできる技術的変化は、土地の長期間にわたる収量を維持しなければならず、同時にその地域の水系を汚染してはならない。潅漑プロジェクトによって頻繁におかされる一般的な誤りは、新しい潅漑計画が一カ所の作物生産を増加させる一方で、下流で育てられている作物に害となる汚水を作り出すことである。新しい植物の変種や高収穫動物品種が導入されると、在来種はほとんどの農家によって、特に完全な水利体系のコントロールが可能とされる地域において忘れ去られていく。多様化された品種の背景(となった在来種)は、常に作付けパターンの注意深い調整によって維持されるべきである。もし新しい変種や品種が導入されても、いかなる時でもそれぞれの品種を使用すべきであろう。
 b. 環境が衰退しないこと
 技術的変化は、それが導入されたときには環境と調和すること。二酸化炭素とメタンガスの大気への放出、有毒な科学物質の土地や水利システムへの汚染を最小化させるべきである。
 c. 技術的妥当性
 技術の複雑化の程度は教育水準、物理的インフラストラクチャー、財政状況等々に規定される使用者たちの吸収能力を越えるべきではない。
 d. 経済的実行可能性
  導入する変化は、使用者へのリスクを含むとしても、そのリスクは最少にすべきである。偶然の失敗が1人あたりの所得を劇的に減らさず、また農民が再出発できるようにすべきである。付け加えるなら、より多くの雇用 − 第一に農家内で、特に女性と周辺の村落での仕事 − を創造するべきである。
 e.社会的受容
 技術的変化は通常、使用者たちの標準、意見、そして習慣と対立すべきではない。世帯や村落の人的能力と合致させる。

 4. 潅漑米作システムにおける持続可能性

 潅漑米作システムは、人口密集地域で集約農家によって実施されるため科学的サイクルにもとづいて強度に管理される。土地所有が小さいため、農民はその土地で猛烈に働くために休閑期はほとんどなくなるほどである。1ヘクタールの土地は3あるいは4ヘクタール分にさえもなることができる! しかし消耗した土壌はしばしばその天然のバランスのとれた状態を失い、次の現象を被る。米の収量の低下・沈滞、投入(量)の増加、農業からの所得の全般的減少。

 4.1 米単一栽培における収量の低下

 米単一栽培において、収量の低下・沈滞は以下の要素によって引き起こされてきたと推測されている。

 4.1.1 米の品種
 もし、同じ品種が同じ土地部分に一度か二度使用された場合、本来、潜在的な収量を著しく変化させるように品種が作用することはない。同じ品種による第3回目の連続作付から収量の低下を見せ始める。先進的農家は決して同じ米の品種を3度以上連続して植えることはない。現在まで、この現象を説明するデータはあまりない。われわれの包括的な観察に基づき、農民のこの現象に対する説明を考慮すると、(そのメカニズム、原因は)以下のように考えられる。
 − それぞれの米の根系は独特な根圏を形成する。連作中の肥料の一定の量とタイプを与えられた同じ根系の活動下では、一定の変化が土壌と土壌溶液、そして米の微小大気に生じてきたに違いない。その根圏の土壌栄養素の原動力はそれぞれの品種により異なっている。連作による収量の低下というこの現象は、窒素肥料だけで、リンやカリウムを補充しない、または土壌に特定の微量元素を補充しない、というようなバランスの欠いた施肥が繰り返されている場所では、実験においても農家の土地においても明確に生じている。
 − 特定の昆虫や病原体等他の生物学的要因は、同じ食物に適応してきたのであるから、同品種における再発生はいっそうありそうなことである。

 4.1.2 土壌の物理的状態
 学者たちによってより科学的な理解が研究されていく一方で、農民たちは実践的な経験から主に土壌の物理的条件を再生することによって収量低下を回避してきた。
 − 米の複数の品種による輪作:この実践の結果、作物が植えられる度に新しい根圏が作られた。したがって、新しい品種に対する継続的需要は欠かせないものである。
 − 土壌の物理的条件の改良:「緑の革命」の初期に、年々減退していく状態にある米作土壌を維持することは土壌の窒素を保守することであり、農民に(窒素を)多く貯えることを強く推奨した学者がいた。この忠告はしかしベトナム農家の実践と矛盾する。ベトナムの古い言い伝えに「よく乾燥した土の塊はかご一杯の肥料よりも価値がある」というものがあるが、現在も有効である。米作田は、米の育成のために再び湛水する前に、耕され十分に乾燥されるべきであることが決定的に重要なのである。

 4.1.3 水に関する制約
 i) 質:(河川の)上流への過度の逆流による海水の浸食により、潅漑水はよりいっそう塩分が増す。良質の水がほんの少ししか利用できないために塩分を含む水も潅漑に利用される。
 ii) 量:農業用の潅漑水は都市部における工業、国内サービス等々による水の需要との競合に関連していっそう少なくなってしまう。水面の低下はポンプによる汲み上げ過ぎによるものである。等々。
 iii) 管理:排出問題。農業に使用されている水の非効率な使用。

 4.2 農業所得の減少
 なんらかの需要と供給のバランスに欠ける状態の結果である。以前と同様の収穫高を確保するために投入(物)を増やさなければならないとき、農民の生産コストは増加する。米がより多く作られ、市場の取扱い量が多くなる可能性が高まるや、米の価格は下がりはじめ、それ故に農業収入を低下させる。これは今日のメコンデルタの米作農民の姿である。多くの農民は悩み始めている。米作一辺倒の代わりに何を生産すべきか? 何の多様化か? 誰のために? 何らかの助成はあるのか? どのようにすれば農家の農業経済システムを精一杯利用できるか? 米作をベースに農業システムを補完させるべく過去数年間に行われてきた、副産物のサトウキビなどの代替飼料を活用する動物の研究は、将来を嘱望するものであった(Preston 1992)。動物の(農業)システムへの組み入れは農業多様化(複合化)の努力を引き出すだろう。
 農業所得を増加させるための研究に値する問題は以下の諸論を含むものであろう。
 − 土壌の肥沃度を回復し、二酸化炭素とメタンガスという温室ガスを削減する手段として機能する、バイオマス高収穫多年生作物の食料、飼料および燃料への導入。
 − 作物の残存物と副産物を再利用し、現金収入と肥料(非化学肥料)を生み出し、食糧と経済安定に寄与し、女性と子どもの雇用を提供する多目的な家畜。
 − 低価格の生物を利用した分解とガス化を利用した農地における燃料生産技術。

 4.3 持続可能な農業システム
 過去十年間、持続可能な農業システム開発に関する技術的進歩は主要な潅漑米作地帯で生み出されてきた。
 長い冬がある亜熱帯に近い気候である紅河デルタでは、価値の高い冬野菜、ハイブリッドトウモロコシ、耐リゾクトニア菌コムギ、ハイブリッドじゃがいも(最新のじゃがいも種子[TPS]技術の利用)は農民が冬の米作に置き換えるのに有効である。小規模で植えられたライチ、竜眼もまた米作に不向きな土地、とくに傾斜地などに広く育てることができる。これらの作物の作付は進めることができ、もし市場が存在すれば農民に高所得をもたらすであろう。
 いわゆる中部高原、中部沿海部、南東部という他の農業経済地域では、潅漑米作は家畜、換金作物との効果的な結合が可能である。
 メコンデルタにおいては、米−エビ、米−魚、米−換金作物農業システムのような持続可能な農業システムは相応しい副経済システムとして推進できる。果樹が総エーカー数の60%以上を構成するにもかかわらず、これらの生産のほとんどは農民の自発的な努力によっており、政府の果樹栽培促進に対する投資は取るに足りないものであった。その結果、農民たちはしばしば自然災害(洪水)によって果樹園に損害を被ってきた。現在は公的な地域策定とインフラへの投資の時期であり、農業合作社(協同組合)は、果樹生産−異国情緒のある熱帯果実である香りのよいマンゴ、種無ブンタン・ナムロイ、マンダリン、カイニット、サポジラ、ドリアン等−に専門化した「果樹ポルダー(干拓地)」を毎年の洪水の恐れがない地域で設立すべきであろう。

 5. 低地における天水米作システムの持続可能性

 各々の土地区画を包含する自然環境を安定させるために、河川や地下から淡水の流出によって低地地域を危険にさらす恐れのある場所では、潅漑システムを中止しなければならない。まさにそれゆえに、天水農業は世界の広範な米作地域を占めているのである。天水による農業は山腹から平地にかけて広く存在する。天水による低地米作は、成長周期の一時期に圃場に水を貯める米作である。伝統的には、水は収穫期の早期に移植前の土地の準備作業を容易にするため集められる。湿地の準備−代かき−は、数世紀にわたって農民によって習慣づけられてきた。しかし、それぞれの地域の降雨の特徴を苦心して研究したにもかかわらず、誰も正確に、どの日に、どれほどの量の雨が降るのか予言することができないため、天水に頼る地域での米作の確立にとって、代かきは最適な方法とはいえない。移植された苗に対する旱魃の被害はアジアにおいてはきわめて一般的な問題なのである。
 研究によれば、乾燥地帯耕作は乾田直播(DDS - direct dry seeding)法によって旱魃被害のリスクを最少にできる。超早生MV米を使用する乾田直播技術は通常の天水の状況下で特別な米の収穫を可能にする(土壌課題プロジェクト、1996)。それは雨水による最も価値のある収穫技術である。より成果的なDDSに基づく低地天水耕作システムに交替するために、以下の要素が完成されることが必要不可欠である。

 a. 乾燥休閑期の準備における早期の耕起技術:この作業は「必須」である、特に重度のしょく土(粘土質の土壌)では必須である。遅い耕起は、有機物の高い土壌には許容しうる。多くの農業村落では早期の耕起は異常なことと認識されているが、農民たちは一度その価値を理解するや認識を変えるであろう。
 b. 乾田直播以前に土壌の粒状構造を再生させること。適切な機械が重度のしょく土には必要である。有機物の高い土壌には高性能であることはあまり必要ではない。粒状化の程度は機械に対する要求を限定するためにも研究されなければならない。
 c. 乾田直播区域の早すぎる貯水に対する予防。早期の雨水は乾季の休閑期の土壌表面上に蓄積した有毒物質を流すのに有効である。(しかし)その圃場に水が貯まれば若苗を冠水させてしまう。
 d. 播いた種の管理。乾燥種子を覆う適切な手段は鳥やネズミの害から種子を守る。
 e. 乾田直播に対する雑草防除。これは乾田直播法の迅速な採用にとって主要な強制となるものの一つである。
 f. 乾田直播の施肥は天水農業の重要な研究課題として残っている。特に乾田直播にとってはそうである。どのように栄養分の消失を最少にし収量を最適化するかは、施肥のタイミングと肥料の種類にかかるであろう。
 雨季の初期の乾田直播によって植えられた早生米は、緑豆、大豆、トウモロコシ(モチ種)に取り替えることが可能である。そして主となる米の収穫後には、圃場の雨水をせき止めて、かぼちゃ、莢豆、なす、トマトなどの野菜を植えることができる。

 6. 山岳地域の米作システムの持続可能性

 山岳地域は、(a)最も恩恵の少ない人口部分に対する公平な分配、(b)水源涵養林の消失という点で国家的な大きな関心を集めている。多くのアジア諸国で、山岳地域に対するインフラ(道路、橋、学校、病院、通信等)は不十分な予算のため政府によって無視されてきた。それ故、食料の分配は山岳地方の人々に届きにくくなっており、同様に山岳地方からの生産物も容易に良い市場を得ることはできない。そのため、天水による山岳地農耕は土地の保全、食物の安定と他の作物の生産のための第一の手段/技術として必要とされる農業環境システム全体の小構成要素として米を見なければならない。持続可能な山岳地域の開発において以下の課題は常に問題となる。

 a. 傾斜地における適切な技術が適応されるべきである。
 b. 圃場の輪郭を描き、浸食を防御する手段。豆科の植物による生け垣や石壁による。
 c. 地域社会の味覚の特徴を有する改良された山岳地の米品種を利用する。
 d. 豆科の作物との作物輪作の適切な順序が土壌の肥沃さを維持するために導入される。
 e. 水牛、畜牛、やぎ、野生豚、家禽などの最も適した動物構成が農業システムに統合される。
 f. 乾季の作物生産の潅漑に利用するために雨水を貯えるために適切な手段がとられる。

 7. 深水、感潮米作システムにおける持続可能性

 7.1 深水米作システム
 水深が100cmを優に越すメコンデルタ地域では、浮米が支配的であったが、事実上、ベトナムの全ての浮米地域は、湛水と湛水の間の休閑期に、早生で倍の収量があるMV米に移行した。浮米地域の維持されている部分では、雨季の初期に山岳地方の作物、または浮米の収穫後にゴマ、ハイブリッドトウモロコシ、小豆、緑豆等の輪作、または魚とエビの米作システムへの統合が、環境的で経済的にすぐれた手段であることを証明してきた。これらのシステムの実施に対して、以下を強制する必要がある。

 a. 浸水地区向けの害虫管理統合方法
 b. 米 − エビシステムに導入する、エビ種苗用の人工的な餌の生産
 c. 地方で可能な材料を使用したエビの餌の生産

 7.2 感潮米作システム
 ベトナムの沿岸地方は日々の水深が潮の干満に合わせて30cmから4mにまで変化する。これらの地域では、淡水をもたらす雨季だけに湿地に米を移植することが可能である。米 − エビシステムは偶然カマウ省ザライ県の農民により発見され、以後急速に普及した。乾季の田圃における脱皮期のカニの生産はまた別の天才的農民の発明である。これらの農業システムでは米作の種類は通常、耐塩性で長稈MV品種の米である。適切な米品種と共に生産と種まきの管理の労働費用を削減するために、湿田散播を実験すべきである。また、このシステムには地方的に生産されるべき大量なエビ種苗の投入を必要とする。

   (後略)

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